舞鶴市では『舞鶴市健康増進計画』が策定されています。その中から歯科の部分をピックアップしまして考察してみます。健康増進計画では、年代別の特徴を踏まえて、ライフステージを①子ども(家族)世代、②働きざかり世代、③高齢者世代の3つに区分しています。
- 子ども(家族)世代 【乳幼児、児童、生徒】
《現状》
・おやつの食べ方に問題がある
・むし歯の罹患率は3歳以降増加し始め、小学校では5割を超える
《データ》
・むし歯のある子どもの割合 3歳 23.8%、小学生 74,8%、中学生 46,2%(全国平均は、小学生で59.6%、中学生で50.6%)
《子ども・家族でがんばること》
・(子ども)食後や寝る前には歯を磨きます。
・(家族)おやつは、時間や量を決めて食べさせます。
・(家族)子どもの年齢に応じて、歯の仕上げ磨きをします。
・(家族)かかりつけの歯科医等を持ち、定期的に子どもの歯の状態を確認します。
《市(行政)が取り組むこと》
・妊産婦の歯周病の予防および、乳児へのむし歯菌の感染予防に努めます。(例:妊産婦歯科健康診査事業)
・むし歯予防知識を習得するための教室等を開催します。
・フッ化物の応用によるむし歯予防対策(フッ化物塗布、洗口)を推進します。(例:4・5歳児むし歯予防教室・小学校フッ化物洗口)
《森の考察》
舞鶴市では幼少から小学生までのむし歯が全国平均より多く、中学生になると全国平均よりも少なくなっています。これは、数年前より始まった、小学校でのフッ化物洗口の効果が出ているものと考えられます。中学生のむし歯罹患率が減っているということは永久歯のむし歯が減ってきているということで喜んでいい結果であるでしょう。一方、小学生までのむし歯の数が多いのは、小学校へ入るまでのフッ化物の応用がなされていないのも大きな原因ではないかと考えます。舞鶴市では1歳6か月児健診、2歳6か月健診で希望者に有料でフッ素塗布をしています。しかし、3歳~小学校就学まで、かかりつけ医で定期的な管理を受けていない限り、フッ素塗布を受けないことになります。おそらく舞鶴市も4・5歳のむし歯予防教室に力を入れようとしているのはそのためではないかと推測します。現状で、行政によるフッ素塗布の体制が出来上がっていないこともありますので、お子様の歯を守るためにも、できるだけ早い時期に、かかりつけ歯科医を持たれることをお勧めします。それと合わせて、乳児へのむし歯菌の感染予防のために、妊娠が分かった時点で早い時期に、歯科医院へ行き、お母様の口腔内の清掃をされることをお勧めします。お母様の口腔内の状態が乳児の口腔内の状態に大きな影響を与える可能性が高いからです。
次号では、働きざかり世代、高齢化世代について考察をしていきます。