奥歯期・・第一乳臼歯(乳犬歯の一つ奥の歯)が上下左右4本生えた時期
前歯が4本生えたあと、乳犬歯の生える前にその奥の第一乳臼歯が生えてきます。前から1番目2番目の歯が生えた後、3番目を飛ばして4番目の歯が生えるのです。その4番目の歯が上下左右4本生える時期を「奥歯期」といいます。奥歯の歯根膜によって、その食べ物が硬いのか、軟らかいのか、大きいのか、小さいのかということを認識できるようになります。ですので、この時期に大切なのが、噛む力や食べるリズムを覚えることです。その時大切なのが、その子のペースでゆっくりと咀嚼する時間を与えることです。なぜなら、この時期に子供は試行錯誤しながら、食べ方のリズムを自ら習得している時期だからです。
例えば、硬い食べ物が入ってきたら、歯根膜と脳が相談して「これは、かたい食べ物だからゆっくり、回数を多く咀嚼しよう」という交信をしながら、だんだんと自分のリズムを獲得していきます。こういうやり取りを繰り返しながら、噛む力、噛む速度、噛む回数、そして唇、ほっぺた、舌の使い方を次第に覚えていきます。
この噛むことを学ぶことがおろそかになると、後の食べ方に重大な影響を及ぼします。脳との交信を無視して、次々と食べ物を押し込んでしまうと、十分に噛まずに飲み込むような習慣が脳に記憶されてしまうのです。昨今「カレーは飲み物」というよくかまずに食べることを面白おかしく、マスコミが取り上げますが、これは非常に由々しき問題です。噛まずに食べるということは、口の中で言えば、歯並びに影響し、唾液分泌も促進されないため、むし歯や歯周病のリスクを大きく増えます。また当然、肥満にもつながり将来の生活習慣病になるリスクも大きくなります。年齢を重ねるにしたがって、さまざまな病気になるリスクも増えることになります。
この時期には少し硬いものも食べられるようになります。「舌でつぶせる硬さ」から「かみつぶせる硬さ」へ移行していきます。この時に絶対に控えてほしいのは、水分で食べ物を流し込む食べさせ方です。噛むことはとても面倒くさいことなので、この時期に水で流し込んで楽に食べることを覚えてしますと、その後、ずっと流し込み食べをするようになってしまいます。時間がかかってもよくかんで食べること。噛む楽しみを見守ってあげましょう。
食べ方での注意は、口を締めて噛むこと。このころは言葉は分かるようになっているので、くちゃくちゃ口を開けて噛んでいたり、食べ物が見えてしまう食べ方をしているようなら、口を閉じて食べるように促してあげてください。