唾液を出すためには、口の周りの筋肉が発達していることが大切です。その筋肉を発達させるための食材『唾液筋トレ食』の取り方を紹介します。
《素材》
なかなか飲みこめる状態にならない食べ物が、かみごたえがあり『唾液筋トレ食』となります。
食物繊維の多い野菜(特に葉野菜)
海藻
きのこ
筋繊維がしっかりした(かたい) 牛肉 豚肉
干したもの(野菜・魚・くだもの)
《調理法》
同じ素材でも、調理方法によってかみごたえが大きく変わります。同じ大根でも、大根おろしと千切り大根、たくわんなどそれぞれかみごたえは大きく変わります。
・切り方
切り方によってもかみごたえは大きく変わります。本来歯を使ってかむところを、口の外でやってしまうので、細かく切るほどかみごたえは小さくなります。そのままの大きさに対してみじん切りにすると、そのかみごたえは約1/2になります。カレーや煮物、炒めもの、シチューなど具を小さく切るとかみごたえも小さくなります。
・加熱方法
野菜や芋などの植物性の食品は加熱時間が長いほど柔らかくなります。生野菜はかみごたえがありますが、食べられる量は少なくなります。
一方、肉や魚はたんぱく質が加熱によってかたくなり、生が一番やわらかくなります。
・水分量
水分は唾液の代わりをします。水分の少ない揚げ物などはよくかみます。同じ揚げ物でも、から揚げよりパン粉などの衣揚げが一番かみごたえが大きくなります。
水分を加えない焼き物もよくかむ料理です。焼き魚や魚の塩焼きなどです。
煮物やあんかけはかみごたえが小さくなります。
唾液筋トレ食代表はスルメです。
あなたも経験があると思いますが、スルメは何回も噛まないと食べられません。噛んでいくうちに味は薄くなるのですが、唾液はどんどん出てきます。
ものすごく唾液を出すには適した食材なのですが、
スルメは、60歳代の3人に1人 80歳代の5人に1人しか食べられません。
食べられなくなる前に食べておきましょう。ということではなく、スルメを食べる頻度を増やすことで、スルメを食べられなくなることを防ごう。というのが、唾液筋トレ食の考え方です。
おやつでスルメを食べることも有効です。
食事の際、初めにスルメを食べると、唾液もたくさん出ます。よく噛むことで満腹中枢も刺激され、食べ過ぎ予防にもなります。
余談ですが、8020(ハチマルニイマル)運動という言葉を聞いたことがあるともいます。
80歳で20本の歯を残そうという運動です。
この運動のもとになった研究は、何歳でも20本歯があれば、酢だこを食べられるという研究がもとになっています。
酢だこは硬いだけではなく弾力があるため、非常に食べつらい食材です。
つまり、80歳で20本の歯があれば、食べたいものがなんでも食べられるのです。